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ホテル・旅館 · 代表 ジョーダン・フロリアン

OTA手数料は「コスト」ではなく「配分」である

手数料を憎むほど判断を誤ります。OTAとの正しい距離感は、「敵」でも「頼みの綱」でもありません。

OTA(オンライン旅行代理店)の手数料率を聞いて、顔をしかめない宿泊事業者はいません。楽天トラベル、じゃらん、一休、Booking.com、Expedia――販路ごとに約10〜18%が売上から消えていく。この数字だけを見れば、「OTAは搾取的だ、直販に切り替えよう」という結論に飛びつきたくなります。

しかし少し視点を変えてみます。もしOTAが存在しなければ、その予約を獲得するために何が必要だったでしょうか。多言語の予約サイト、決済システム、広告運用、世界中の旅行者への露出。それらを自前で揃えるコストを考えれば、手数料は「販売とマーケティングの外注費」です。問題は手数料の存在ではなく、その配分を自分で設計しているかどうかです。

「どのOTAで、何を、どう見せるか」は戦略である

国内OTAと海外OTAでは、利用者も、探し方も、価格感度も違います。楽天トラベルとBooking.comに同じプランを同じ見せ方で置くのは、京都の百貨店とパリのセレクトショップに同じ棚を作るようなものです。チャネルごとに「役割」を与えること。新規のお客様との出会いはOTAに任せ、二度目からは直接の関係へ招くこと。手数料は、その出会いへの対価と割り切ること。

直販比率の向上は正しい目標ですが、順番を間違えると失敗します。OTAを急に絞れば、露出が減り、稼働が落ち、慌てて値下げする――という悪循環に陥りがちです。先に直販で予約する理由(公式サイト限定の特典、最良の在庫、滞在前後の丁寧な連絡)を作り、OTAはその入口として使い続ける。「OTAで知って、公式で戻ってくる」流れができたとき、手数料は投資として機能し始めます。

手数料を憎むのをやめて、配分表を作りましょう。どの販路に、何%を、何の役割のために払うのか。それを自分の言葉で説明できるようになったとき、OTAはあなたの宿の営業部員になります。

筆者:ジョーダン・フロリアン(KYOFLOW合同会社 代表)。ホテル・旅館の収益改善、観光地域づくり、日欧ビジネスの実務についてのご相談は、お問い合わせページからどうぞ。

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